今回の試合は、子どもたちと一緒に楽しめましたし、得点もあげることができて良かったですね!僕が入った直後に相手に1点取られてしまいましたが(笑)。
今日の小学校のグラウンドは人工芝でしたが、子どもたちにとって思いっきりスポーツができる環境があるのは素晴らしいことです。僕が子どもの頃は土のグラウンドが多かったのですが、今の子どもたちは天然芝や人工芝のグラウンドなどがあって恵まれている。そういった環境を当たり前と思わずにプレーしてほしいですね。
子どもたちには夢を持ち続けて、上に行けば行くほど苦しいときもありますが、どんなときでも自分自身を信じて、信念を持ってやってほしい。また、そういった子どもたちに日々接する指導者には、あまり自分の理想や型を押しつけず、子どもたちがスポーツを楽しむことを一番に指導してほしい。特に小学校低学年はそういったことを培う時代だと思いますし、僕も子どもの頃、そういった環境で育ってきました。自由に、自分の発想でプレーし、楽しむことが大事だと思います。
日本代表の試合では毎回、普段からサッカーをプレーしている人も、そうでない人も日本代表を応援してくれていて、一つになる瞬間があります。喜びだけでなく悲しみを味わうこともありますが、プレーや勝敗に感動するなど、スポーツはいろいろなものを見ている人たちに与えられることができる。本当にスポーツの力は大きいなと感じます。
ここ数年、totoのスポーツ振興助成のおかげもあり、いろいろなスポーツを取り巻く環境が整備され、施設も良くなってきて、サッカーを問わず日本代表が世界で結果を残している。そういった好循環を繰り返して行けば、いろいろなスポーツが盛り上がり、日本にもスポーツ文化が根付いてくると思います。こうしたスポーツ振興助成活動は今後も充実していってほしいですね。
ドイツやイギリスといったヨーロッパでは、スポーツ、特にサッカーが一つの文化になっています。正直、日本にはまだ染みついていないですが、すべての人々がサッカーを始めとしたスポーツに興味を持つような国に日本がなるように、僕もサッカーを通してもっと子どもたちに夢を与えていきたいと思っています。
僕の子どもの頃は、Jリーガーになって日本代表になることが夢で、そこを一番目指していました。その後、Jリーグやユース代表になって世界を経験したりすることで、世界との距離を感じて、世界に出て行かないと成長できないと感じました。それが世界に出るきっかけになりましたね。
日本は島国で他国の文化と触れ合うことが難しいですが、子どもの頃から世界に目を向けてチャレンジすべきです。サッカーに限らず世界で活躍するスポーツ選手も増えてきて、子どもたちも世界を目指したい気持ちが強くなってきている。いろいろな競技で世界に挑戦することは良いことだと思います。
日本の子どもたちは、いろいろなスポーツにおいて技術は高い水準にあると思います。世界にチャレンジしようとする子どもたちは、もちろん、いろいろな課題に取り組む必要があると思いますが、まずは日本人の長所は伸ばしてほしい。また、それぞれ個性があるので、その個性を活かしつつ、自分を持った人間に成長してほしいですね。
今日のように子どもたちとサッカーを一緒にやるなど、今後もスポーツ振興には携わっていきたいと思いますが、僕はサッカー選手ですから、まずピッチの上で結果を残さないといけない。世界の舞台で活躍するからこそ、子どもたちに夢を与えることができる。だから、まず自分自身のプレーに限界を作らず、上を目指してトライし続けていることが大事だと思っています。
昨シーズンは、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に移籍して1年目、リーグ優勝はすることができましたが、ケガもあって、個人的には満足するシーズンではありませんでした。だから今シーズンは、チームからもっと信頼される選手になって、リーグ戦だけでなくチャンピオンズリーグなどすべてのタイトルを獲得し、満足できるシーズンにしたいです!
(2013.7.5 新宿区立西戸山小学校にて)
- かがわ しんじ(1989年3月17日生まれ)
兵庫県神戸市出身のプロサッカー選手。プレミアリーグ・マンチェスター・ユナイテッドFC所属。
ポジションはミッドフィールダー(MF)、フォワード (FW)。日本代表。
toto助成活動の広報メッセンジャーとして2年目を迎える。